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第2回 月イチ素人林業隊 〜林業ボランティア〜
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地元の国産材を使った木造家屋が見直されてきているものの、まだまだ安価な外材に押され、今や日本の林業は危機的状況にあると言えます。しかも人手不足などにより森林は荒れる一方。そんな苦しい日本の林業を楽しみながら支えるボランティア団体「月イチ素人林業隊」をご紹介します。
お話を伺ってみました。
地元の人から人手不足の話を聞いたのが活動のきっかけ。
写真自然ねっと事務局(以下自然ねっと)
まずはじめにどういった動機でこのような活動を始められたのでしょうか?

小野さん
林業ボランティアとして発足したと聞いております。埼玉県都幾川村に元メンバーが遊びに行っていた際、地元の方と交流していて、人手不足で林が荒れているという話を聞き、作業を手伝うことになったのがきっかけです。
林業“体験”が主眼。作業はマイペースでやってもらってます。
写真自然ねっと
なるほど。地元の方の作業を手伝うことで良い交流が持てそうですね。でも、間伐作業や下草刈りの作業は相当な重労働ではないですか? その作業だけをす
るのは大変だと思いますが、作業の他に何かやってらっしゃるんでしょうか?

小野さん
作業はあくまで、ボランティアであり、プロの仕事ではありません。また月一回だけです。それも午前中で修了(実質2時間程度)しますし、女性も参加できるようなスケジュールとなっています。林業”体験”が主眼ですので、マイペースでやってもらってます。
それでも、人数が20名もいると、作業はすごい勢いで進みますので、受け入れの方からすれば、助かっているとのことです。作業場所の提供と、のこぎり、斧の提供、そして作業指導のボランティアを逆に林業家の森田さんにしていただいています。
作業は9:00開始、12:00終了です。その後はメンバーの1人が借りている築100年くらいの古家で、まきストーブや囲炉裏の火で昼食を皆でわいわいいいながら作って食べます。
これが“楽しみ”です。
前日から泊り込みすることも可能で、ワイルドな気分を味わいたい人も楽しめます。
参加の動機は様々。でも、結局は“楽しい”ということ。
写真自然ねっと
そうですか。まきストーブや囲炉裏とはずいぶん楽しそうですね。
一度その楽しさを味わうと何度も参加したい気分になると思うのですが、では、参加されている方々のきっかけはどんなケースが多いのでしょうか?

小野さん
何らかの、ボランティア活動を探していて、たまたま林業隊を探しあてたという人。アウトドアが好きで、林の中に入ることがして見たかった、という人。日本の林業の現状を憂いて、何かできないか、と考えて来た人。友人に誘われて、面白そうだからやってきた人。学校の授業や専門、職業上関係があるので、林業の実態を経験してみたかった人。本格的に、林業を職業としてみたいと思っている人が、ためしに、体験してみたかった。などきっかけは様々です。
一応、ボランティアをうたっていますので、その趣旨には皆さん賛同しています。
ただ、長年通いつづけているメンバーは、そのような当初の趣旨は忘れ、ただただ作業が楽しい、メンバーと会うのが楽しい、ビールが飲みたい、など単純な動機になっているようですが(笑)。
汗をかき、新鮮な空気を腹いっぱい吸うと本当に気持ち良い。
写真自然ねっと
やはり楽しくなければ原動力につながりませんよね。先ほどのお話で「作業が楽しい」とありましたが、具体的にはどのようなときに楽しく感じるのでしょうか?

小野さん
結構、都会生活に疲れてストレスがたまっている人が多いんですよね。林の中で体を動かし、汗をかき、新鮮な空気を腹いっぱい吸うと本当に気持ち良い。作業の楽しさというか、ストレス発散や充実感を感じるんだと思います。
スケジュール調整や交通の便が大変ですね。
写真自然ねっと
とても気持ちよさそうですね。
では反対に、活動を進める上で苦労されてることはありますか?

小野さん
毎月第二日曜と決めていますので、自分のスケジュールをそれにあわせるのに、皆苦労しているのではないでしょうか。また、現地は山の中なので、バスで来ることができません。最寄の越生駅まで、ピックアップに行きますが、車の手配がうまくいかないときに苦労しますね。
高さ10mくらいの間伐材をドタっと倒す快感を是非味わいに来てください。
写真自然ねっと
月イチ素人林業隊の活動に興味がある皆さんに対して、活動に参加すると、「こんないい事があるよ」といったことがありましたら、教えていただけませんか?

小野さん
高さ10mくらいの間伐材をドタっと倒す快感は、そうそう他では味わえないものです。ヒノキが多いため、切ったあと、いいにおいがしますし、間伐した木をおみやげに持っていってもらったりと、いい体験ができると思います。
世代交代と同時に林業とこの活動が社会的に認知されていけるように。
写真自然ねっと
最後になりますが、これからの展望について、小野さん自身は月イチ素人林業隊での活動を今後、どのように進めていこうとお考えでしょうか?

小野さん
隊が発足して既に、10年ほどが経過しています。林業家の森田さんも60才をだいぶ越えられて
これからの双方の世代交代を考える時期に来ているかなと思っています。林業隊も村の中で、知られてきているとは思いますが、世代交代と同時に双方がより社会的に認知されていけるよう活動していければと思います。
写真自然ねっと
月イチ素人林業隊の皆さんの活動を聞いていると、林業に参加する方も、その機会を作っている方々も互いにボランティアをし合っているような感じがしますね。
小野さんが望まれるように、もっと社会的な認知度が上がることで日本の林業が少しでも活気づくことを期待しています。

お忙しい中、貴重なお時間を割いて頂き本当にありがとうございました。
月イチ素人林業隊の活動についてもっと詳しく知りたいという方は月イチ素人林業隊のHP(http://www.asahi-net.or.jp/~yx4s-on/)をご覧下さい。 GREEN PROJECTに関するお問い合わせはこちらからお願いします。
※写真は月イチ素人林業隊HPより転載
2002年取材
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